日記 – MUSICAL SHOW『日劇前で逢いましょう〜昭和みたいな恋しよう〜』鑑賞

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MUSICAL SHOW『日劇前で逢いましょう〜昭和みたいな恋しよう〜』に行ってきた✌️

ショーとしては100点中10000000000点の満足度なのだが、演劇としては結構「ん?」と思う場面があった。

そのあたりも言語化して脳内を整理したいなあという記事なので、日劇前が大好きでちょっとでもネガティブな意見を見たくない!という人はここから先読まないことをおすすめします。(あとガッツリネタバレするのでネタバレNGの方も)

・タイムスリップについて

まず、時代設定がかなりあやふや。学生運動とか言ってるくらいだから1960-1970年くらい(つまり約60年前)かな?と思いきや、「30年以上前」というかなりざっくりした表現に留まっている。

ただ比奈子が「ウォークマン」を知っていたり、シブがき隊の「NAI・NAI 16」が新曲扱いされているので、リリース年の1982年が舞台なのだろうか?

と思いきや、日劇が閉館したのは1981年だとWikipediaに書いてあった。

つまり時代設定はかなり曖昧で、「昭和」の概念的な世界なのかなー。

別にこれは時代小説ではないので設定がふんわりしていても一向に構わないし、この舞台の客層はおそらくほとんどが平成または平成に近い昭和生まれなので言われなきゃそんなに違和感を感じる人はいないだろう。

天童よしみさんやモト冬樹さん、及び同世代のファンの方がこの脚本を読んだ時にどう感じたかは、興味がありますが。

で、タイムスリップ。

電車にはねられたかと思いきやタイムスリップしていて……というのは『東京卍リベンジャーズ』でも使われている設定だし、それ自体は別にいいのだが、最後、元の時代に戻ろうとホームから線路に飛び込んだのに元の時代に帰ることなく、かといって死んだり怪我したりすることも無く、次のステージに立っていて、これは一体……!?となった。

ここまで書いて、初めのタイムスリップは現在(令和)→過去(昭和)のタイムスリップだったが、2回目のタイムスリップは過去(昭和)→ちょっとだけ進んだ過去(昭和の時間の流れで数ヶ月後?)と未来へのタイムスリップだったのか?と思えてきた。

有楽町のホームから線路に飛び込んで、次に目が覚める時までの空白期間に、ボーイズスリーメンはボーイズフォーメンになり、比奈子はマネージャー(プロデューサー?)になり、日劇ではない別の会場に立つことになっていた……という。

ならばその空白期間にタク、ジン、マサも動いていたはずだが、これはどういうことなんだろう。タイムスリップではなくパラレルワールド?

楽曲についても、未来の曲を勝手に使ったら大勢の人の人生を左右してしまう!と初めは言っていたのに、ラストステージでは嵐とか歌ってた。いいのかそれで。

まあタイムスリップに整合性を求めるのも野暮なので、ここも別に大した問題ではない。

時代設定を遵守してLove so sweetが歌われないより、時代設定を無視してでもLove so sweetを歌ってくれた方が、悠仁メロメロ部の部員としてはかなり助かる。(悠仁かっこいいめろ〜♡)

・比奈子について

私がいちばん「うーん……」となったのは、比奈子の扱いである。

率直に言えばあまりにも便利に使われすぎていて、比奈子に感情移入することが困難だった。

比奈子はカンパニーの看板である天城泉の娘で、自身が歌姫としてステージに立ちながら、母の指示でボーイズスリーメンや他のキャストの面倒を見ている。

比奈子はタクの「夢を追う姿」に惹かれている……みたいな発言をするのだが、肝心の比奈子の夢はいっさいわからないまま終わった。なんてこったい。

比奈子の父はアル中だったけど腕は確かなトランペット奏者だったらしく、母の泉も「やっぱり比奈子もあの人の血を引いていたのね……」とか言うからトランペット奏者になるのが夢なのかなあと思いきや、最後のタイムスリップで比奈子は裏方に回っている。やりたいことは、これなのか? それとも偉大な母の元を離れて仕事がしたかった?

比奈子はラストステージを父に見てほしいと言っていたが、その父もとうとう現れずじまいだった。なんなんだ……。

タクとの関係でもなんなんだ……と思ったポイントがある。タクは比奈子がいるから現代に帰りたくない!とか言うのに最後は挨拶もなく比奈子を置いて令和に帰ろうとする。ちょっとー。

ラブシーンとか、親子の絆とか、そういう感動的なシーンを描くのに若い娘が必要で、それが比奈子だった……というだけで、比奈子自身の人間性については掘り下げられていない脚本だなあと思ってしまった。

昭和の可愛らしいファッションでさまざまな衣装に着替え、聖子ちゃんカットまでしてくれて、たくさん歌って踊るので、もし私がひなちま(樋口日奈さんの愛称です)のオタクとして通ってたらめちゃくちゃハッピーだったと思うけど、演劇として見た時にウーン……となってしまいそうだ。

他にも、マサ脱退澤井加入であれだけ騒ぎになったのに、特になんの説明もなくボーイズスリーメンがボーイズフォーメンになっていたり、前後関係を考えたらアレ?となる場面がかなり多い。

単なる整合性だけでなく、登場人物の心の動きがわからないままとにかく話が進んでる。

だから前後関係とかあんまり考えずにその場その場を楽しむのがいいんだと思う。我々(………オタ)が得意なやつ。

この作品自体、昨年のえび座みたい!と各所で言われているし。

ショーの部分は文句なしに楽しいし、選曲も素晴らしいし、ペンライトも振れて本当に最高!

だから多少アレ?と思うところがあっても総合的に見ればめちゃくちゃ満足できるし、ぜひともいろんなひとに見てもらいたいなあと思える作品です。

この良さは言葉では説明しきれない!生でパフォーマンスを浴びてもらわないと伝わらない!忍者のふたりはもちろん、他のキャストもみなさん素敵なパフォーマンスなので飽きることなくあっという間に2時間経ってます。

私はアンサンブルの田中杏佳さんのお顔がめちゃくちゃ好みだったのでめちゃくちゃ見てました。(つり目の美人を追い続ける人生)ダンスもかわいいの。

感想文、以上!

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この記事を書いた人

2022年秋に突然少年忍者にハマった新規オタクです。現場の感想や日記を書いています。

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