日記 – フォーティンブラス感想

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フォーティンブラスに行ってきた✌️

※以下、ネタバレ注意

※1度きりの観劇なのでセリフとか諸々記憶違いがあるかも

様々な要素が入り組んでるから感想を出力するのがちょっと難しいんだよね。

真っ先に言いたいことといえば

悠仁が性癖にぶっ刺さる役だった!😻

なんだけど……(ほんまに、最低)

観劇直後の鍵垢のツイートがこれ↓

悠仁が彼女に1500円貸してって言われても断るくらい貧乏な売れない役者で、そのくせ同棲してる彼女(こちらも売れない女優)に先月の家賃を払わせている

鍵垢のカスツイート

和馬(悠仁)と恵子(遥りささん)、売れない役者同士付き合っててさー、お金が無い中でお互い売れるのを夢見て頑張ってるわけよ。売れたらチーズ牛丼に豚汁もつけて頼もうねってささやかな約束をしてるのよ。やばいだろ。

きっと壁の薄いぼろアパートで身を寄せあって暮らしてるし、風呂がないから銭湯通いだし、誕生日プレゼントはパチンコの景品でクリスマスはコンビニケーキひと切れを2人で分け合うんだよ。(妄想禁止)

フォーティンブラスの要素を超ざっくり説明すると

①芸能界の闇

②役者の魂

③親子関係

この3点になるかな。

①芸能界の闇

やりがい搾取、パワハラ、枕営業などなど……。

日頃芸能人(アイドル)を消費している側としては正直きつかった。まあ、かなり表現が誇張されてはいるけどね。いくら何でも舞台のセリフを覚えてない俳優が主演だったらさすがに炎上するだろ。

アイドルから女優に転向した刈谷ひろみ役を、同じく元アイドルの木﨑ゆりあさんが演じていたりと、役と役者が重なる部分もあったり。

私は木﨑さんのアイドル時代を知らないけど、木﨑さんがひろみに共感できる部分もあるのかもしれない。

私がフォーティンブラスで泣いたのは実は大光でも悠仁でもなく遥さんの演技だったんだけど、恵子が本当に……愛おしくて……。

恵子はいかにも世間知らずの女の子で、だから騙されて枕営業までしちゃうんですよ。何かにつけてすみませんすみませんって謝罪するのも、性被害にあってまで相手をかばうのも、自己肯定感の低さ由来というか、被虐待児なのでは……?と疑ってしまった。(恵子の生い立ちは触れられていなかったので真相は不明)

そんな恵子の、あたしが女優をやめたらただのデニーズの店員なんだよ!という悲痛の叫びが刺さって、そこからずっと「恵子……恵子ぉ……😭」となっていた。

なんだろうな、「フリーター」とかふわっとした職業じゃなくて「デニーズの店員」って固有名詞の登場で急に生々しく感じたんだよな。

確かにデニーズって(最近減ってるけど)24時間営業だし、シフトの融通利きそうだよね。デニーズ美味しいけどさ、恵子はデニーズで働くのが夢ってわけじゃないから……。

芸能界って売れればドカンと儲かるけどそうじゃない人の方が圧倒的に多いからね。

大光演じる羽沢も役者とビル清掃バイトあわせて月収18万で、なまじ大光のことを知ってるだけに「日頃BALENCIAGAとか着てるのに……」と脳内でノイズが発生したけど(ドラマのセリフで俺音楽詳しくないけど〜とか言ってる矢花さんと同じ趣がある)役者が食べていくのって難しいんだろうなー。

②役者の魂

①でも話したけど、恵子が枕営業をしてしまうわけです。(自分の仕事だけでなく大好きな彼氏の和馬の仕事も貰ってこようとした)

それを知ったひろみと、恵子の掛け合いが本当に熱かった!フォーティンブラスは女優陣の演技が本当に強い!

玉代さんはダブルキャストで、私が入った回は伴美奈子さんだった。伴さんの玉代さんも本当に良かった……。

「役者の魂」をいちばん感じたのは、どこまでも舞台に生きた玉代さんだった。

矢島舞美さんの玉代さんも見たかったなー!伴さんと矢島さん結構歳離れてるからあんまり想像つかないな。玉代さん、確か和馬に「婆さん」って陰口叩かれてたけど矢島さんまだ30代だしな……。

もちろん羽沢と和馬も、どんな脇役でも演じ切るというプライドがあった。

職業としての俳優の価値……たとえば、いくら稼げるかとか、どれだけ大きい仕事を貰えるかではなく、良い芝居を届けるという役者の魂をひしひしと感じた。

だからこそ役者の魂を感じられないのに売れっ子の正美との対比がはっきりするんだよなー。セリフ覚えてないのはさすがにやりすぎだけど。そんな奴売れるわけないだろ。

正美が心を入れ替えたっぽい描写はあったものの、過去は帳消しにならないし、正美の金魚のフンは最後までイライラする奴ばかりだった。根本的な解決はしていない。

ただこの作品は勧善懲悪じゃなくてただただ役者の生き様を描く作品だから、それでいいんだろう。すべてに白黒つける必要は無いと想う。

③親子関係

ノルウェー国王とフォーティンブラス、和春と和馬。この舞台ではふたつの親子関係が登場する。

ノルウェー国王と和春の境界はかなり曖昧だった。

どこからが演技で、どこまでが本音なのか。「彼」は結局最後まで和春として和馬に声をかけることはせず、ノルウェー国王であり続け、「舞台を次の人に受け渡す」ために玉代の手を取って退場した。

一般的な感覚だと、赤の他人を息子扱いし、実の息子には酷い言葉を浴びせ、最終的に妻では無い女の手を取って去っていく和春はひどい父親だ。

けれど、和馬にとっては尊敬する役者だった。たとえ売れなくても、主演じゃなくても。模範的な親子関係ではなくとも、和馬が進む道を決定づけるほどの存在だった。

その時の悠仁の表情が本当に……刺さって……悠仁大好き(告白?)

ノルウェー国王がフォーティンブラスをフォーちゃんと呼ぶギャグも案外、生前できなかった「息子をあだ名で呼ぶ」をやりたかっただけなのかも。知らんけど。

ここまで大光の話を全然してこなかった。主演なのに。

大光の演技は素晴らしいしもちろんセリフも多いんだけど、岸川親子の尺が長い(印象的)だから、「フォーティンブラス」というタイトルではあるものの主演の主張がそんなに強い脚本ではないかなー。

直近で観た舞台がミュージカル『テニスの王子様』だから余計そう感じるのかもしれないが。(越前リョーマは『主人公力(ヂカラ)』が強いキャラクターなので)

それぞれ何かを抱えた役者たちの群像劇で、彼らを繋ぐのが「フォーティンブラス」だから主人公なのかな、という感じ。

いつか主演を夢見て脇役をやる俳優の羽沢を主人公に据えて、それでいて羽沢がわかりやすく主人公主人公してるわけじゃないのがリアルというか。おもしろいつくり。

あ、羽沢のセリフでいちばん印象に残ったものがある。

「苦労してスターになれるんなら俺とっくにスターだよ」

大光はどんな気持ちでこれ言ったんだろう。Act ONEでも「これ以上どうすればいいんだよ」ってれいあさんが仰ってましたし……。

木﨑さんほど「近い」キャスティングではないけど、売れない役者とハイブラ買えるくらいに稼いでるアイドルではあるけれど、やっぱり芸能活動をする上で重なる部分もあるんだろうなって。

大光自身はうまくいってる方だと私は思うけど、大光が自身の立ち位置をどう思ってるかは知らないし、自分自身のことじゃなくても先輩や仲間のことを思い出したのかもしれないし。

恵子を始め、フォーティンブラスでは「一生懸命」って単語が何度も出てくる。でも頑張れば報われるとは限らない世界なんだよな〜。

それはさておき。大光は本当に舞台映えするね!スタイル良いし、声質も恵まれてるし、芝居上手いし。

劇中劇のわずかな出番でもオーラがあって、終演後にフォロワーさんと「大光の王子様の役見たい!ハムレットやって!」と盛り上がった。

それでいてコメディパートではしっかり笑わせてくる。

そういえばフォーティンブラスはまあまあな頻度でシリアスの中に突然ギャグをぶっこんでくるから泣きながら笑ったりしてかなり疲れた。感情が忙しいから分けてやってくれ。

客降りでちょうど私の座っていた席の近くで立ち止まったので初めて間近で大光を見たんだけど、近距離で見る大光ガチで顔可愛すぎて萌え萌えになった。二重幅広すぎて人住める。住民票置いていいかな(キモ発言禁止)

私が入った回は三原健豊くんが見学に来てて、大光って本当に愛されてるんだな〜とニコニコした。けど9歳にこの作品はだいぶ早いと思う。直接的に濡場があったわけではないけども……性的表現がまあまああるから……(悠仁の口から「乳繰り合う」ってセリフが発せられる舞台、フォーティンブラス。)

フォーティンブラスは万人受けする作品ではないと思う。じゃあ誰にすすめたい?って聞かれたら、やっぱり、舞台を好きな人。

舞台はそれぞれが自分の役を引き受けて、観客を楽しませてくれているという土台の部分を再確認出来たから。

あとはそうだなあ。

悠仁との貧乏同棲生活願望がある人も行くといいよ(※悠仁は、ああ見えて10代です)

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この記事を書いた人

2022年秋に突然少年忍者にハマった新規オタクです。現場の感想や日記を書いています。

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