日記 – 461個の弁当は、親父と息子の男の約束。感想

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461個の弁当は、親父と息子の男の約束。に行ってきた✌️

※以下、ネタバレ注意

※1度きりの観劇なのでセリフとか諸々記憶違いがあるかも

父・俊美(山崎樹範さん)と、息子・登生(田村海琉くん)のお弁当を通した親子の交流を描いた作品。

この朗読劇の最大の特徴は映像をたくさん使っていること。なるほどねと思う反面、映像を使用した意図を汲み取れなかった部分があったのが気になったかなあ。

舞台上で料理をやるのって確かにハードル高くて、「何をやってるかわかりづらい」んだよね。だから舞台上では「台所で料理をする父」、スクリーンでは「レシピ動画」って構成になってて。

観劇前、先に行ってたフォロワーが「クラシルだった」って言ってて、どういうこと?と思ったら本当にクラシルをしていた。

この話は事実をベースにした作品で、実際に作ったおかずのレシピがたくさん出てきてどれもおいしそうだった!

この映像の使い方はわかる。

意図を汲めなかったのは、父の再婚相手が映像出演だったこと。

父の再婚相手、つまり登生の新しいお母さんのアヤカを演じたのは堀田茜さん。まあ人気者なので映像出演でもおかしくはないんだけど、せっかくの生の演劇なのに登場人物のひとりを映像に託した意味が読み取れず。

堀田茜さんをどうしても起用したかったのか、それとも「息子と父の話」だからあえて再婚相手とのシーンは映像を使用することになったのか、他になにか意味があるのか、よくわからない。

主人公親子は映像にあわせて芝居をするわけで、あまり無いスタイルだからやりづらくないのかなと勝手に心配してしまった。

そんなにスピード感のあるシーンじゃないから、多少噛んでもテンポが崩れたりはしないだろうけれども。

もしインタビューとかご存知の方いたら教えてください。

あと最後、心の声をスクリーンを使って表現したのも、漫画やアニメの表現方法っぽくて、演劇ではあまり見ないので斬新だなと思った。もしスクリーンを使わずにやるとしたらどうしたのかも気になる。

ここからは雑感を……。

登生が高校で彼女と親友と3人でバンドを組むんだけど、私は邪悪な人間なので、「痴情のもつれが発生するだろうな!」と思ったのにそんなことは無かった。

なんていい子たちなんだ。

でもねー、碧(登生の親友)は小春ちゃん(登生の彼女)が好きだったんじゃないかなと思ってるんだよね。笑

碧「小春最近元気なくね?」登生「え、そう?」ってくだりがあって。実は小春ちゃんは親が離婚することになって、どっちについていくか聞かれて気持ちの整理がついていなかったという。彼氏が気づいてないのに碧は気づくんだ。

そのあと登生が「人の彼女を呼び捨てにすんなよ!笑」とか言い出すので、可愛すぎる……とニヤニヤしてしまいました。

先週はフォーティンブラスで悠仁が売れない役者カップルで同棲する役で大興奮していたのですが、こちらは健全な高校生の恋愛模様で手を繋いで帰るくらいで大変ほのぼのしておりました。

ちなみに登生小春碧のバンドで「さよならを教えて」という曲を披露するのですが、これはオリ曲なのかな?検索してもアダルトゲームしか引っかからなかった。

あとダイエットのくだりね!

そんなに細いのにこれ以上どう痩せるんだと思ったけど、思春期って(大人から見れば)些細なことが気になっちゃう年頃だし……。

お父さんはたくさん食べて欲しいから、息子のリクエストでダイエットメニューにするんだけど、時々チートデイと称してわざと好きなおかずをたくさん詰めるのね。

それがきっかけで喧嘩しちゃうシーン、きっかけは微笑ましいけど、それまでずっと飄々としていて時には「我慢」もしてきた登生が初めて感情を露にする場面だったから、なんだかグッときたな。

登生はお父さんを傷つけてしまってすごくショックを受けていたけど、これは成長に必要な、人生のどこかで必ず引き受けなきゃいけない痛みだと思うから。

そうだ、実際に卵焼きとかを食べるシーンがあるんだけど、かいるが未成年なので成人後の飲酒のシーンは空のグラスでぷはー!ってやってて可愛すぎた。

最後に、このブログを今日アップしようと思った理由について書きます。

舞台の冒頭、スクリーンで能登半島地震で被災された方へのメッセージが映し出されて。

なんでかなと思ったら、「2010年……」って始まったので、ああそういうことかと察したよね。

登生が高校生になる直前の、2011年3月11日。

東日本大震災。

親子が暮らしていたのは東北ではないけれど、お父さんのご実家が福島にあって。

舞台でそんなに長く語られたわけじゃないけど、この地震が渡辺家に与えた影響はとても大きいんだなと伝わってきた。この震災があったからこそ、息子といる時間を大事にしよう、とお父さんは改めて思ったみたいで。

もしかしたら震災がなかったら、お父さんは二日酔いで体調を崩した時でさえ意地でも「約束」を守り抜いてやろうと思っていなかったのかもしれない……ifの話をしてもわからないけれど。

かいるは震災当時まだ4歳(!?)だったからあんまり覚えてないかもしれないけど、演じているのが主に17歳〜19歳の頃だから、今のかいるとは歳が近くてやりやすかったのかな。

ギリギリになっちゃったけど、今日アップしようと思ったのはちょうどこの日に(もしかしたらこれを狙って?)公演期間が被っていたからです。

被災者ではなくとも、当時の日本に住んでいて地震の影響を受けなかった生活の人なんていないからね。計画停電とか。

募金以外にも、こうして忘れないように折に触れて刻んでいくこともできるんじゃないかななんて思ったりします。

それではまた。

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この記事を書いた人

2022年秋に突然少年忍者にハマった新規オタクです。現場の感想や日記を書いています。

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